
Raison d’être of OCEANUS
青のレガシー
OCEANUSを語る上で欠かすことのできない、“ブルー”というワード。
モノトーンの時計が主流の時代に産声を上げた新興ブランドは、他とは一線を画し、誕生より一貫してブルーを追求。現在でこそ、青い文字板の時計はトレンドカラーを超えた新定番として定着しているが、その立役者とも言うべきOCEANUSは、ブルーを単なる“色”や“デザイン”として捉えてはいない。
ではOCEANUSにとってブルーとは何なのか、何故そこまでブルーにこだわるのか。
そのことについて、OCEANUSを形成している3つの要素から紐解いてみたいと思う。
母なる海に捧げるブルー
デジタルとアナログの融合という新たな時計ジャンルを“海”に喩え、英語「OCEAN(海洋)」の語源でもあるギリシャ神話の海の神「オケアノス」の名を冠し、その象徴である青をブランドカラーとして採用したOCEANUS。しかし一言で青と言っても、明るい色から暗い色まで様々な色調があることは言うまでもない。OCEANUSが想像する青とは、光の反射や吸収によって生まれる海の色。それをスパッタリングという特殊な着色手法により、透明な膜を何枚も重ねて青の波長だけを反射させることで、他では見られない深く澄んだ海の青を表現しているのだ。そしてその青の色合いはモデルごとに異なり、特定の色として決まってはいない。つまりブルーとは、果てしない海に挑む冒険やロマンを体現した“挑戦と進化の証”と言えるのである。

伝統色としてのブルー
古くから日本人の生活に深く根付いてきた藍染から“ジャパンブルー”という言葉が生まれ、日本のナショナルカラーのひとつである青。そんな藍染を取り入れた一昨年発売の「Japan Indigo - 藍 -」シリーズも記憶に新しいが、この他にもOCEANUSはこれまで江戸切子や京蒔絵といった伝統工芸とコラボレーションしてきた。先進テクノロジーを駆使しながら絶対精度を追求することで、現在では“21世紀のアナログ時計”と称されるまでに至ったOCEANUSが、伝統と融合することで伝えたかったもの。それは常に最先端なものを提示しながら、その時代の要求にアップデートしていくモノづくりの真髄。そして妥協を許さない情熱溢れる作り手たちによる、Made in Japanの矜持。つまりブルーとは、OCEANUSのモノづくりにおける“日本の誇り”と言えるのである。

未来に導くブルー
日本では視覚的要素のピクトグラムを用いる際に、男性を青、女性を赤で表現することがある。そこには日本人のDNAに刷り込まれた本能的な何かが反応し、理解へと繋がっているのかもしれない。青という色には信頼や誠実、沈静といった意味や効果がある一方、炎の中では最も高温であるように、見た目とは違う印象を持ち合わせているのも青の魅力ではないだろうか。それはOCEANUSのコンセプトである“Elegance, Technology”にも通じる。スポーティでエレガントな佇まいの中に凝縮された先進テクノロジー。相反する要素を融合することで生まれる美しい姿は、情熱を内に秘め、冷静かつ知的に立ち振る舞う大人の男性のようである。自分らしさが重要視される時代の中で、オン・オフ問わず、身に着ける人の個性の一部であって欲しい。つまりブルーとは、自分の価値観を信じて生きる男たちへの“指針”なのである。

青に惹かれる理由。それは生命の源である海、生まれ住む日本、大人の男性のあるべき姿をルーツに持っているからではないだろうか。そこから生まれた独創の青、“オシアナスブルー”。その表現こそがOCEANUSを象徴するアイデンティティであり、包括する世界なのである。これからもOCEANUSは、青の遺産を受け継いでいく。
Text: Tatsuya Nakamura | Photography: Masashi Nagao
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