OCR ハンディターミナルとは?
メリットや選定のポイントなどを解説します
さまざまなパターンの日付を読み取り!
現場の声に応えるOCRソリューションを紹介します。
OCRとは?
OCR=光学的文字認識
OCRとは、Optical Character Reader(またはRecognition)の略称で、日本語では「光学文字認識」などと表現されます。
具体的には、画像データのテキストや数字を認識し、文字データに変換する技術のことで、例えば、紙の書類をイメージスキャナーやデジタルカメラで読み込み、書かれている文字を認識し、テキストデータ化することができます。
OCR技術を用いることで、人が目で見た書類などの内容を、パソコンのキーボードで入力してデータ化していた作業が不要となり、業務の効率化が図れます。
OCRの仕組み
OCRは一気に画像をテキスト化するのではなく、段階を踏んで徐々に解析していき、最終的にテキストデータ化しています。解析のステップは以下のようなものです。
1.ブロック解析
イメージスキャナーやデジタルカメラを用いて読み込んだ画像は、最初にブロック解析にかけられます。これは、対象画像のどこに文字が書かれているか解析して、その範囲をブロック、すなわち文字を読み取る領域として設定する工程です。
2.ブロック内の行を解析
次にブロックの中にある文字列の行数や、どこからどこまでが一行なのかを判断します。例えば3行の文章と判断したら、次の分析に備えて3つのブロックに分けます。
3.行の中の文字を解析
次に、行と判断した中のどの部分が文字なのかを解析していきます。文字の数だけ細かく切り分けていくイメージです。
4.文字の特定とデータ化
文字であると認識した画像を対象に、それがどの文字なのかを特定し、テキストデータにするための処理を行います。
OCRの歴史と注目されている背景
OCRの歴史は意外なほど古く、1929年にはドイツとアメリカで特許が出願されています。日本では1968年に国産OCRが登場し、本格的に利用が始まりました。
その頃のOCRは、各国とも大量に仕分けが必要となる郵便局用としての導入・開発が盛んでしたが、その後、官公庁や大手企業もOCRを利用するようになりました。そして現在では、スマートフォンでの画像認識技術に転用され、ここで紹介するハンディターミナルにも搭載されています。
OCRハンディターミナルとは?
バーコード・2次元コードに加え文字の読み取りも可能に
ハンディターミナルは、バーコードや2次元コードを読み取るための機器として作られています。専用の高性能スキャナーを使用し、あっという間にバーコードや2次元コードを読み取り、数値や文字データとして処理できるほか、難読コードの読み取りにも対応できます。
一方のOCRの読み取りは、ハンディターミナルに搭載されたデジタルカメラや、C-MOSスキャナーを利用して、文字や数値をデータ化します。今までハンディターミナルで読み取れなかった、製品の箱に印字されている文字なども読み取れるようになります。
OCRハンディターミナルの導入で得られる効果・メリット
それまでバーコードと2次元コードを読み取っていたハンディターミナルにOCRが搭載されることで、例えば、製品の箱に印字された賞味期限や、バーコード化されていないシリアルナンバーやロットナンバーも読み取れるようになり、手入力しなくてはいけない情報が減ります。
今までは繰り返し大量に入力していたデータも、OCRハンディターミナルを導入すれば、次々に読み取るだけでOKになります。これにより、スピードアップとミスの低減が同時に可能になり、業務の効率化が図れます。その結果、生産性の向上や、コスト削減につながるでしょう。
OCRハンディターミナル選定のポイント
OCRハンディターミナルを選定する際は、どのような点に注意すればよいのでしょうか。ここでは、OCRハンディターミナル選定のポイントを紹介します。
使用目的に合ったOCRが搭載されているか
ハンディターミナルに搭載されたOCR機能は、製品によってチューニングが異なり、読み取りを得意とする文字や数字が異なります。そのため、まずは使用用途に合っているかを確認する必要があります。
例えば、日付を読み取ることに最適化したOCRは、日本語と英数字の混合に対応した認識エンジンと、英数字記号に特化した認識エンジンの両方を搭載し、数字だけ、漢字と数字の混合など、さまざまな日付パターンを読み取れるようチューニングされています。
こうしたデータの読み取りは、チューニングが施されていないOCRでは難しいケースもあるため、専用のチューニングが施された製品を選んだほうが賢明です。さらに、読み取った画像を台形変換して歪みを補正したり、自動でコントラスト調整をしたりして読み取りやすいように処理する製品であれば、さらなるスピードアップが可能になるでしょう。
このような機能を搭載しているOCR機能付きハンディターミナルは、こちらが意図した通りに文字を読み取ってくれるため、使用していてストレスが少なく、業務をスムーズにしてくれます。まずは使用目的を明確にし、それに合った製品を選ぶことを意識しましょう。
ハンディターミナルとしての性能は十分か
OCRの性能だけでなく、ハンディターミナルとしての基本的な性能も重要です。大量のバーコードや2次元コードを素早く正確に読み取れるか、また、作業者が動きながら、もしくは動いている対象のバーコードを読み取れるかなども確認しておくとよいでしょう。
さらに、使用中の落下に耐えられる堅牢性や、業務を一日止めずに実施できるバッテリー寿命、手に馴染む持ちやすさや、操作のしやすさなども、押さえておきたいポイントです。そのほかにも、薄暗い場所でも読み取れるか、業務に適した形式でのデータ保存が可能かといったことも、合わせてチェックしておくとよいでしょう。
製品のサポート体制は充実しているか
OCRハンディターミナルは、堅牢性が高い製品ですが、落下などで故障することもあります。また、問題が起きたときに、ハードウェアとソフトウェアのどちらに原因があるのか、現場では判断できないこともあるでしょう。
そうしたときに、すぐメーカーに問い合わせができたり、サポート体制が充実していたりすることも、ハンディターミナル選定の重要なポイントとなります。また、消耗品であるバッテリーの供給体制や、ソフトウェアのアップデートの状況なども含め、メーカーのサポート状況を確認できるとよりよいでしょう。
まとめ
OCR機能付きのハンディターミナルは、バーコードや2次元コードの読み取りだけでなく、日付や、文字の読み取りも可能です。そのため、手入力の作業を減らすことができ、業務効率化やコスト削減に貢献します。
ハンディターミナルのOCR機能は、業務の特性に合わせたチューニングがされていることもあり、そうした製品を選ぶことで、さらなる業務のスピードアップが可能になります。そのためには、必要な機能を洗い出すことが大切です。ここで紹介したことを参考に、自社にあったOCR機能付きハンディターミナルを導入してはいかがでしょうか。
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