ビジネスコラム
Business Column
Vol.2
コロナ禍だからこそ少ない訪問のチャンスをものにしたい!
成果につながる対面商談を目指して
新型コロナウイルス感染症は、ビジネスの世界にも大きな影響を及ぼしています。
対面による商談機会の減少もそのひとつ。多くの企業が非対面による商談へとシフトし、お客様と直接顔を合わせる機会が少なくなっているからこそ、その貴重なチャンスをより有効に活用したいと考えている方も多いことでしょう。
コロナ禍での対面商談でより大きな成果を上げるために。 今回は、少ない機会と時間をより効果的に活用するためのポイントについて考察します。
対面商談の効率化を図ろう
デメリットを解消すれば、対面商談はもっと効率的になる
直接会って話す対面商談には、相手とのコミュニケーションが深い、説明内容が伝わりやすいといった大きなメリットがある一方、昔からよく言われるデメリットとして下記の2つがあります。 (Vol.1参照:あなたは対面派? 非対面派?―コロナ禍のビジネスコミュニケーションについて考える―)。
①移動時間がとられ、交通費もかかる
②無駄な訪問は嫌われる
これらのデメリットは、賢く対応することで対面商談をより効率良く進めることが可能になります。
上記①の解決方法 | 商談の目的に合わせて対面・非対面を柔軟に選択
「移動時間がとられ、交通費もかかる」という対面商談のデメリットを解決するために提案したいのが、目的に合わせて対面と非対面、二つの商談手段を柔軟に併用すること。
まずは、その商談時における目的(ヒアリング、商材説明、クロージングなど)を明確にしましょう。その目的を達成するためには、対面と非対面どちらの商談スタイルで対応すべきかを事前にしっかりと検討することが重要です。
例えば、次の対面商談に向けて議題内容、懸念事項、要望内容をあらかじめヒアリングするという目的を果たすためなら、非対面でも十分かもしれません。中でも、オンラインのWEB会議を活用すれば、ネットを介して直接的に会話ができるので、対面商談におけるデメリットである余計な時間やコストを節約できます。
ただし、大事な場面は対面で勝負する
Web会議をはじめとするオンラインによる商談では、相手が慣れていないと円滑にコミュニケーションを図るのが難しく、反応も窺いづらいというデメリットも。また、商材をプレゼンする際に直接見せたり試してもらったりできないため、相手に商材の魅力を伝えきれないという面もあります。
お客様との間に信頼関係を築いたり、商材の魅力をしっかり伝えるなど、ここぞという大事な場面では、やはり対面での商談が効果的といえるでしょう。
上記②の解決方法 | コロナ禍における対面機会はより貴重に 無駄な訪問をさらに削減すべき
何度も訪問するなど商談に長い時間をかけても、クロージングに至らなければ、その営業が成功したとはいえません。一回の訪問でどの程度まで進展させるのかを明確にし、達成できる効果を最大化すれば、訪問による対面商談の機会をより有効に活用できるはず。
回数で勝負するのではなく、下記の通り事前の準備をしっかりと整えることで、訪問の精度や質を上がることが大切です。
●コストをかけて訪問する前に、お客様に必要な情報を届け、収集する
商談時、お客様に伝えたい情報のすべてを一から伝えるには、やはり時間的に無理があります。相手に詳細な情報を正確に伝えるのに適したメールなどの非対面コミュニケーションで、商材に関する資料などを届けておきましょう。同様に、お客様が抱えている課題は何なのかなど、訪問前の情報収集も重要なポイントです。
●簡潔で分かりやすい提案書を心がける
プレゼンのための提案書において大切なポイントは3つあります。
1:ロジカル⇨伝えたいことを絞り込む
2:シンプル⇨提案書の見やすさを工夫する
3:感情に訴える⇨図、グラフ、画像や動画を活用する
1:ロジカル⇨伝えたいことを絞り込む
対面商談の最終目標は、提案内容の承認を得ることです。決裁者は多忙な方がほとんどのため、プレゼンに与えられるのは短い時間であることが多く、いかに提案内容を効果的に伝えるかが勝負になります。
そこで、提案書の構成は、以下4要素のみに絞り込みましょう。構成をシンプルにすることで、短時間でも伝えたいことが明確に伝わるようになるはずです。
中でも、お客様の抱えている課題をどんな施策で解決し、それがどのようなメリットをお客様にもたらすかという点は特に重要なポイント。自社商材の優れた点をアピールするだけに終始せず、「お客様目線」を意識することこそが、より効果的な提案書づくりを可能にします。
2:シンプル⇨提案書の見やすさを工夫する
提案書のデザインも重要ですが、意識したいのは見た目の美しさではなく、いかに分かりやすくて見やすいかということ。
●データや数字は必要最小限に!
プレゼンのために集めたデータや数字を提案書に載せすぎるのはNG。情報過多のためにかえって提案内容が伝わりにくくなってしまいます。用意したものの使用しなかったデータや数字は、相手から詳細な説明を求められた時の根拠として手元に用意しておくのが良いでしょう。
●文字の量や配置にもこだわって!
文字情報は最後まで読んでもらわないと内容が伝わらないため、なるべく少なくするのが賢明。プレゼンテーションの主役はあくまで話し手の声による説明であることを意識しましょう。
さらに、最も伝えたいメッセージは提案書の中央より上部に配置することも重要です。スクリーンに映した提案書を見上げる場合、伝えたいメッセージが中央部より下にあると一目で視界に入りづらく、インパクトに欠ける印象を与えます。
3:感情に訴える⇨図、グラフ、画像や動画を活用する
プレゼンの目的とは相手の気持ちを動かして決断を促すことです。そのため、提案書作りでは聞き手の感情に訴える工夫も重要になります。
そこで活用したいのが、ビジュアル、グラフ、動画など要素です。文字では伝わりにくいことも、1枚の写真やグラフを使えば簡単に伝わることがあります。
中でも、動画は相手とスムーズなコミュニケーションを実現するのにおすすめ。「音」「動き」「時間軸」というさまざまな要素を含めることができるため、複雑な内容でも短時間に分かりやすく伝達できます。
【参考文献】「社外プレゼンの資料作成術」」前田鎌利・著 ダイヤモンド社、前田鎌利【第1回】相手に伝わるプレゼン資料作成のポイント(ノビテクマガジン・ビジネスタレント)
対面商談の効果を最大化するために
対面商談を成功に導く施策をご紹介
対面商談を成功させるには、しっかり準備した提案内容をお客様に分かりやすく魅力的に伝達することが大切です。そのための施策をご紹介します。
①大事な対面時間を最大限に活用する ペーパーレス商談のすすめ
紙の提案書にはいくつかのデメリットがあります。
・参加者全員分の資料を印刷して配布しなければならず、手間もコストもかかる。 ・さらに、紙の提案書を印刷するなど、用意に時間がかかる。
・その分、急な商談に対応しづらく、急な修正などの対応ができないため、せっかくのチャンスを逃してしまう。
そこでおすすめしたいのが、提案書のペーパーレス化。紙媒体からデジタル媒体※を活用した商談へと移行することで、印刷の手間やコストが不要になります。その分、準備がスピーディーになり、急な商談にも対応可能に。ペーパーレス商談なら、常にプレゼンテーションのチャンスを逃しません。
※デジタル媒体:コンピュータプログラムやソフトウェア、デジタル画像、デジタル動画、ウェブページやサイト、データやデータベース、デジタル音声(MP3など)、電子書籍など
さらに、デジタルならではの動きのある情報でより効果的なプレゼンテーションが行える、資料共有が手軽にできるため商談に参加できなかった方へのアプローチが可能になるといったメリットもあります。
プロジェクターでペーパーレス商談をスマートに
大事な対面時間を最大限に活用するペーパーレス商談。その効果を最大化する手段の一つに挙げられるのが、プロジェクターの活用です。
●プロジェクターの活用でペーパーレス商談の効果を最大化
せっかく準備したデジタル媒体の提案書をノートPCの小さい画面で映すのはもったいない。そこで、提案したいのがプロジェクターの活用です。ただし、画面が暗いプロジェクターは明瞭性に欠けるため、数字や画像、動画などを大画面で見せることができず、その伝わる力は大きく低下してしまいます。プロジェクターはできるだけ明るいタイプのものを選びましょう。
●いつでも素早くプレゼンできる環境を整える
出先でのプレゼンテーションでは、相手を待たせないことが重要です。しかし、お客様の設備を利用する場合、初めて使うことから準備に思いのほか時間がかかってしまうことも。そこで、常に使い慣れたツールでプレゼンテーションができるよう、手軽に持ち運べるモバイルプロジェクターをおすすめします。また、モバイルプロジェクターを選ぶ際には、セッティングに長く時間をとられてお客様を待たせることがないよう、パソコンと手間なくスピーディーにつなげられるか、簡単に操作できるかという点に留意しましょう。
②商談に集中できる環境づくりへ 双方向コミュニケーションを心がける
商談時には、話し手から聞き手に対して質問を投げかけるなど、相手の積極的な参加を促すことができる双方向でのコミュニケーションを目指しましょう。聞き手の注意や関心を引くことで集中力を持続させることが可能になるため、プレゼンテーションの内容に対する理解がより一層深まります。
大画面の効果で出席者の意識を一点に集中させる
花王元会長の尾﨑元規氏は社長時代のインタビューで、会議における資料のペーパーレス化とプロジェクターの活用に対するメリットを下記のように語っています。
“花王は一風変わった会社で、会議でペーパーを配る習慣がない。会議はもっぱら、スライドをプロジェクターで映しながら進められる。これは、出席者の意識を一点に集中させるためだ。分厚い資料を配ると出席者が別々のページを読んでしまうため、意識が分散してしまう。参加者全員が意識を集中させて徹底的に議論をすれば、「よしやろう」「これは、ダメ」と、その場で結論を出すことができる。”
(出典:プレジデントオンライン「目が覚める提案書―花王社長 尾﨑元規」)
尾﨑氏の言葉は、商談時においても同様のことがいえます。ペーパーレスかつプロジェクターでの商談は、参加者全員の意識を話し手に集中させ、説明に対する理解度の向上に役立ちます。そして、そこで使われる提案書は、映し出された瞬間、参加者全員が内容を即理解できるよう、大画面で表示することが重要です。
③参加者の反応を確認しながら話す
ペーパーレス商談では、参加者全員が映されたスライドに注目して顔を上げているため、相手の表情や反応を確認しながら話ができます。そのため、プレゼンの提案内容、サービスや商品の価値などがどこまで相手に伝わっているかを把握しやすいというメリットがあります。
そこで、プレゼン相手が疑問のありそうな表情をしたら、すぐにヒアリング。その場で疑問に答えましょう。
相手の表情が硬かったり、反応が薄い時には、ヒアリング不足や事実誤認など、何かしらの問題や勘違いがあるはず。そんな時には一旦商談を仕切り直し、提案内容をあらためて見直すのが賢い選択といえます。相手の課題をより深掘りできる機会と捉えれば、自ずとピンチがチャンスになるはずです。
しかし、プロジェクターを使用するために部屋を暗くしてしまっては、参加者の顔を見ることができない上、集中力も低下するなど、せっかくのメリットを活かすことはできません。商談をスムーズに進めるためにも、プロジェクターはやはり明るいタイプを選択することがおすすめです。
まとめ
今回は、コロナ禍でますます貴重になっている対面商談の機会を成果につなげるための施策について紹介しました。
押さえたいポイントは以下になります。
●対面商談をより効率良く進めるには
・目的に応じて対面と非対面を上手に使い分ける
・訪問前の事前準備を万端に整える
●対面商談の効果を最大化する施策
・紙商談からペーパーレス商談へ転換。さらに、プロジェクターを活用し、ペーパーレス商談の効果を最大化する
・明るい大画面のプロジェクターの活用により、商談に集中できる環境づくりへ
以上を念頭に対面商談をバージョンアップ!コロナ禍にも負けない新たな営業スタイルの確立へ、ぜひともお役立てください。
次回コラムでは、withコロナ時代の非対面(オンライン)商談の現状についてご紹介します。
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