Skip to content

CASIO WATCHのコレクターで、ヴィンテージを中心に100点以上あるコレクションを

Instagramで発信しているシズコレ(@thizz_king)さん。

現在フォロワーは2万人超え、世界中の時計ファンがその投稿に注目しています。
なぜシズコレさんはCASIO WATCHに惹かれ、発信し続けるのか。
そしてInstagramを通して感じる世界の反応を聞かせていただきました。

CASIO WATCHに目覚めたきっかけは 父が持っていた思い出の時計

私がCASIO WATCHを集め出すきっかけとなった1本は、「カジキ」と呼ばれる、文字板にカジキマグロのマークが描かれたモデルです。

これは、若き日の父がいつも身につけていた時計でした。
子供の頃はその時計について深く考えたことはありませんでしたが、それでも当時の父を思い出す時、左腕には必ずその時計があります。

私も年齢を重ね、それなりに時計を集めてきました。
そして大人になったある時、たまたまInstagramでこのカジキマークの入った時計を見かけたのです。「懐かしい」と思うと同時に「今見るとなんてカッコいい時計だろう」と驚きました。
父が持っていたと思われるモデル「W-400」を探し、手に入れた時。私はもうすっかりヴィンテージの「CASIO」の沼にハマっていったのです。

次に私が手に入れたのが、1985年に発売された「PELA」という、厚さわずか3.9mm、重量12mgという薄くて軽い時計です。
実はこの時計も父が当時持っていました。

私の若い頃はまさにG-SHCOKブームの真っ只中で、このように小さな時計にはあまり興味を惹かれませんでした。けれどこれも今見ると実にカッコいいですし、モジュールをここまで小さくしたその技術力も素晴らしい。

父が「PELA」を購入した頃の年齢に私自身がなって、その魅力がわかるようになったと思うとまた感慨深いものがあります。

左:1987年発売の「PELA FS-60W」。入手した際にすでにバンドが壊れていたので、自身でつけかえた。本来はケースとバンドに継ぎ目がないモデル。
右:1983年発売の「W-400」。カジキマグロのマークがあるものはコレクターの中では「カシオカジキ」と呼ばれている。

当時のカタログにも載っていない 希少モデルを見つける「宝探し」の日々

CASIO WATCHは今年で50周年を迎え、その歴史の中でさまざまなモデルが生まれました。 コレクターとして面白いなと感じるのは、80、90年代のもの。 当時、CASIO WATCHのなかで主力商品ではなかったモデルは、カタログにも掲載されず、現在ほとんど資料がないものが多いのです。ですから「こんなモデルがあったのか!?」と今になって発見されるものも多いですよ。コレクター同士は日々InstagramなどSNSを通して情報交換をし、まるで毎日宝探しをしているような気持ちです。

ユニークな多機能時計 その意外性に世界が魅了される

CASIO WATCHの魅力は、なんといってもその独自の機能だと私は思います。 紙の地図から距離を算出できるマップメーター機能のついた「MAP-100」なんてとてもユニークですよね。また1987年の時点で脈拍を測定できる時計「JP-100W」があったのにも驚きです。 内蔵のセンサーで赤外線量を読み取り、離れた場所の温度を計ることができるサーモスキャナーつき「TSR-100/TSR-110」などなど、その搭載機能はさまざま。 もちろん、時計の役割である「時間を表示する」という面でも、その高い技術力は発揮されています。ヴィンテージの時計でも少し手直しするだけですぐに正確に動き出しますし、長く使っていても時間のズレが比較的少ないです。

小さな時計に、その時代時代のあらゆる技術を集約させる。 その凄さに今、世界中の人たちが改めて気づき始めた。私はそんなふうに日々感じています。

左:1989年発売「MAP-100」。ドライブやアウトドアを楽しむ人向けに紙の地図距離を算出できるマップメーター機能付き。デジタルの地図がない当時において画期的だった。
右:1987年発売の脈拍を測定できるランナー用スポーツウオッチ「JP-100W」。

今見ても新しいデザイン。
シティポップと並んでCASIO WATCHがブームに。

私のInstagramのアカウントには日々世界中の方々からダイレクトメッセージが届きます。「このモデルはどういうものか」という問い合わせから「私も似たモデルを持っている」「これは素敵だ!」などといった感想までさまざまです。
ここ最近はインド、インドネシアの方々からの反応が多く、年齢は25〜44歳くらいと若い方が多い印象です。今、日本の70、80年代の歌謡曲が「シティポップ」と呼ばれ世界中で流行していますから、同じ時代の空気をまとった80、90年代のCASIO WATCHも人気なのかもしれません。
それにこの当時のCASIO WATCHは今見てもデザインに新しさを感じますよね。今のファッションにも不思議とマッチしている気がします。特に時代を感じさせるのは、文字板の微妙な配色で、80、90年代は青と赤の組み合わせが多いです。そのちょっとしたところにレトロと遊び心を感じる、若い人たちはそんな楽しみ方もしているのでしょう。

シズコレさん的
CASIO WATCH. BEST 5!

第1位

世界が注目する 300Mダイバーウォッチ「DW-3000」

CASIO WATCH は100本以上持っているので、ベスト5を選ぶのは難しいのですが(笑)、第1位はやっぱり1985年のダイバーウォッチ「DW-3000」。Instagramにこの写真を投稿したところ、3ヵ月で61万ものアクセスがありました。
雰囲気はG-SHOCKに似ていますが、こちらは300m防水で、実はG-SHOCKの200m防水を超えたスペック。
さらにメタルケースで、分厚いガラスに覆われていて頑丈。けれどそこまで大きくないので誰でもつけやすいのも魅力です。同じデザインのものはつくられず、配色も1種類だけ。持っている方も少ない希少な1本です。

「DW-3000」。海外では「THE TANK」のペットネームで呼ばれている。

第2位 

普段使いしやすいヘビーデューティモデル 「DW200シリーズ」

DW-200から始まり、210、240、260と同じデザインで、1983年から1989年くらいまでの間につくられた時計です。見た目は似ていますが、機能は時代とニーズに合わせてアップデートされています。
ケースとバンドは樹脂ですが、加水分解されることはなく当時のままで使えるのが驚き。当時はG-SHOCKと並んで売られていたのですが、あまり人気がなかったようで出回っている数がこちらも少ないようです。
ケースが比較的薄くどんな服装にも合い普段使いできるので、私は今でもしょっちゅうつけていますよ。

1983年発売の「DW-200」。マルチアラーム搭載、カジキマークも付く。

左から「 DW-210」、「DW-240」、「DW-260」、 1993年製の「DW-310」。

第3位

不動の人気モデル カジキシリーズ カシオマーリン

1979年から85年くらいの間にリリースされた「カジキ」のマークがついているモデルです。海外ではカシオマーリンと呼ばれています。ステンレスケースにステンレスバンドのモデルが特に人気で、重量感があり腕につけるとずっしり来ます。部品などすべて日本製ですので、今は海外からも人気が高いですね。 また日本でも古着好きの方なんかは集めていらっしゃる傾向が。発売当時から人気で 出回っている数は多いので見かけたことのある方は多いかもしれません。

父が持っていた、私にとっての最初のCASIO WATCHということで、ベスト5に入れさせていただきました。

右から「W-550」、「W150」、「W-450」。「W-150」は発売当初から人気で現在も比較的数の多いモデル。「W-550」はレアモデル。

第4位

フェイスにソーラーパネルがまさに80’sレトロ 「ソーラーモデル」

80年代のモデルで、文字板の上部にソーラーパネルがついています。 今のG-SHOCKなどでもソーラーの機能はあるのですが、ぱっと見はわかりません。しかしこれらは、しっかりと時計のフェイス部分にソーラーが存在感を示しているのがいいですよね。

ソーラーがついていながら防水機能、さらにマルチアラーム機能もついているのが当時のCASIOらしく高い技術力を発揮している時計だと思います。 もちろん今はこのようなデザインは無いので、この80’sレトロな雰囲気も人気の理由だと思います。

左から「DW-2000」「WL-100」「 WL-10」。文字板のソーラーパネルで発電、内蔵の二次電池にたまった電力で暗所でも快適に時計を駆動させる。

第5位

オリジナルを凌ぐ復刻版モデル「A1100D-1」

このモデルは大変人気なのですが、1970年代につくられたオリジナル版は中の電池が小さく、経年劣化で液漏れが起きやすい。そのため現在、きちんと動く「完動品」は少ないのです。 ですからこのモデルが見た目そのままに復刻された時は、海外でも反響が大きく、私の投稿もいつもよりアクセスが多くありました。
個人的には、この復刻モデル、もうオリジナルを超えていると私は思います。このモデルはケースが全てステンレスですが、実はオリジナルは樹脂とステンレスのハイブリッド構造。復刻版の方がずっしりとした重厚感があります。もちろん現行モデルなので、ヴィンテージみたいに気を使わないで着けられるところもポイントが高いですね。

メタリックな輝きと重厚感のある、1970年代に発売された52QS-14Bの復刻版「CASIO VINTAGE A1100D-1」。

世界が楽しみに待ち望む復刻

私がInstagramで発信し始めた頃、正直ここまで海外の方に反応してもらえるとは思っていませんでした。普遍的なデザインと、コレクター心をくすぐるさまざまな機能、そして高い技術力。それらがこうして高く評価されていることは、誇らしいですよね。

現在、50周年を記念して復刻版も続々と登場しているのはコレクターとしてもとても喜ばしいことです。それもただ復刻されるだけではなく、スマホとリンクするなど現代のテクノロジーも搭載されているのがまたCASIOらしいなと嬉しくなります。
私のInstagramは、CASIO WATCH好きが集まる場。その中で多くの人が「今後復刻してほしい」と望んでいるのが、先ほどもご紹介した「PELA」です。私の持っているモデルは初期型ではないので、復刻されるとしたら初期型のFS-10が良いですね。オリジナルで動いているものはほとんどないと思うので、世界中のコレクターが復刻を待っています。 これからもヴィンテージ、復刻、そして新モデルとともに、大好きな一本を発信しながら、CASIO WATCHを追いかけていきたいです。

Select a location