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業界トピックス【2022年度上半期の物流施設関連動向】 | ハンディターミナル | CASIO

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<物流施設関連動向>
2022年度上半期:製造・流通・サービス業

text by月刊「LOGI-EVO」編集長 片岡信吾

月刊「LOGI-EVO」は、2021年8月に創刊されたあらゆる産業に関わるロジスティクスの総合専門誌です。

2022年度も物流施設に関連する投資活動は活発に推移している。EC市場の成長加速に加え、コロナ禍で停滞していた経済活動が回復に向かっていることで物流施設需要が膨らんでいるからだ。これに伴い、サプライチェーン体制の見直し・再構築が浮上し、自動化設備導入、DXへの取組も進んでいる。そこで本稿では、特に荷主企業に着目し、2022年上半期(1月~6月)の主な物流施設関連投資活動について紹介する。

楽天グループ(株)、(株)西友

「楽天西友ネットスーパー」の物流センターを大阪府茨木市で稼働開始

楽天グループ(株)と(株)西友は、両社が協働運営するネットスーパー事業「楽天西友ネットスーパー」において、大阪府茨木市の専用物流センターの本格稼働を開始したと発表した。近年はECが生活基盤として定着し、ネットスーパーに対する需要は急速に拡大している。「楽天西友ネットスーパー」も2021年の流通総額が前年比26%伸長しており、同サービスにおける物流センターからの出荷流通総額も前年比79%増と大幅に伸長している。

こうした中で新設した物流センターは、常温、冷蔵、冷凍の3温度帯で最大3万~4万アイテムを保管できるほか、搬送や保管などの自動化装備を導入することで、倉庫内の作業効率は大幅に向上するという。これを踏まえ、当該センターでは当日配送枠を拡充し、関西地域における供給能力強化に加え、サービスの利便性向上を図るとしている。楽天と西友は、今後も強固なサービス供給体制の構築を推進し、高まるニーズに応え、ユーザーの利便性向上を目指す。

アルフレッサ(株)

茨城県つくば市で新物流センターを着工、関東エリアの医薬品物流を高度・効率化

アルフレッサ(株)は、関東エリアにおける医薬品物流の更なる高度化と効率化を図るため、茨城県内で2022年2月から新物流センター「つくば物流センター」の建設に着手した。アルフレッサグループは、「19-21 中期経営計画」において医療用医薬品等卸売事業の重点施策にグループ物流の「高度化」や「効率化」と「標準化」を掲げており、今回の新物流センター建設はその一環。同センターは最新設備を備えたアルフレッサ最大の物流センターで、常磐自動車道と首都圏中央連絡自動車道が交差する交通アクセスに有利な立地環境を背景に、茨城県、栃木県、千葉県の全域のほか、埼玉県や東京都の一部の医薬品配送をカバーする。

同センターにはデパレタイズロボットやクロスベルトソーターなどの最新設備を導入し、高い作業の生産性と出荷精度を実現する。BCP対策として建物全体に免震構造を採用しており、震度6強などの地震に対しても建物の被害を軽微なレベルに抑える。72 時間稼働できる大型非常用電源や、給水・排水が遮断された場合を想定して受水槽設備を設置し、災害時においても継続的に医薬品供給することのできる体制を整える。GDPガイドラインに準拠した厳格な温度管理と衛生管理にも対応。全ての入出荷口にドックシェルターや二重シャッターを設置するほか、空調設備のバックアップ機能や防虫・防鼠対策など整備する。顧客への納品時の検品作業を不要とする「パッケージ納品」 の能力も拡大。今後市場の拡大が見込まれる再生医療等製品の保管庫を設置し、超低温保管や輸送・輸送資材供給に対応する体制も構築する。また、特殊医薬品のトレーサビリティ管理を実現する「NOVUMN」に対応した設備も備えるとしている。

アマゾンジャパン(同)

西日本最大の物流拠点を尼崎に開設、「Amazon Robotics」や先端技術などを導入

アマゾンジャパン(同)は、兵庫県尼崎市に「アマゾン尼崎フルフィルメントセンター」を開設した。同センターは、商品保管容量約100万立方フィート、延床面積は10万㎡以上で、規模は東京ドーム2個分以上となる西日本最大のAmazonFC。同社全体の商品保管容量は、国内20か所以上のFCの合計で1,500万立方フィート以上にのぼるが、今回の同センター開設による商品保管容量の大幅な増加で、商品配送体制が一層強化された格好だ。

アマゾン尼崎フルフィルメントセンター(アマゾンジャパン(同)) アマゾン尼崎フルフィルメントセンター(アマゾンジャパン(同))

同センターでは、より安全かつ効率的に作業環境を整えるため、「Amazon Robotics」や先端技術を導入。Amazon Roboticsは、商品棚を持ち上げてピッカーの元に移動するロボットで、商品の在庫保管や、注文に応じた商品ピッキング作業時間の削減に寄与する。また、最大40%多くの商品在庫保管が可能となるため、品揃えを強化・拡充も図れる。同センターにはまた、同社が日本で改良した自動荷合わせシステムも導入しており、出荷作業の生産性も一段と高めた。同社はこうした一連の投資により、フルフィルメント by Amazon(FBA)を利用する中小規模の販売事業者に対し、より幅広いビジネスチャンスを提供することが可能となるとしている。

(株)ニトリホールディングス、(株)ホームロジスティクス

愛知県飛島村と埼玉県幸手市の2か所にDCを新設、国内物流拠点の再配置を推進

(株)ニトリホールディングスは、愛知県飛島村と埼玉県幸手市にそれぞれ新たな物流センター「名古屋DC」、「幸手DC2」を開設する。名古屋 DCは、東海・北陸エリアにおける同社初のDC。その立地は、名古屋港から約7kmの距離にあり、名古屋市中心部へのアクセスに優れ、東海・北陸エリアのカバーに適する。幸手DCは、 面積ベースで同社国内最大規模の物流センター。その立地は、圏央道の「幸手IC」に隣接し、 埼玉県白岡市の「関東DC」からも約11kmの距離にあり、関東・上信越エリアを広くカバーする。

両センターの運用は、同社グループの物流事業を担う(株)ホームロジスティクスが行う。ニトリグループは、顧客サービスを強化するため、国内物流拠点の再配置を推進している。ニトリ店舗の出店加速、消費者のライフスタイル変化に伴う EC需要拡大などの環境変化に対応するため、物流センター機能の全体最適を図るのが目的。屋上には自家消費型太陽光発電設備を設置し、環境負荷低減への貢献もさらに進める。ニトリグループ一体で今後も顧客のさらなる利便性向上に取り組んでいく方針だ。

サントリーホールディングス(株)

清涼飲料専用倉庫「沖縄豊見城配送センター」が稼働

サントリーホールディングス(株)は、新物流拠点「沖縄豊見城(とみぐすく)配送センター」を本格稼働した。サントリーグループはこれまでも安全・安心な物流の実現に加え、先端技術を活用し、物流業務の自動化・省力化による労働負荷軽減、作業効率化、環境負荷の低減などを実現する「スマートロジスティクス」に取り組んできた。本施設の稼働により、沖縄県での商品供給の一層の安定化を図るほか、これまで複数箇所に分散していた倉庫機能を本施設の倉庫に統合・集約することで、在庫配置や倉庫間移動を効率化し、環境負荷低減を推進する。

沖縄豊見城配送センター(サントリーホールディングス(株)) 沖縄豊見城配送センター(サントリーホールディングス(株))

また、DX施策として、倉庫管理システムとバース予約システムの情報連携により、倉庫内業務の効率化、待機時間削減を通じたトラック乗務員の負担軽減や環境負荷低減を図る。本施設は「おきなわSDGsパートナー」の認証を取得している。同制度は、沖縄県が様々なステークホルダーとのパートナーシップのもと、SDGsの普及啓発に取り組むため、活動に意欲的な企業・団体を認証するもの。倉庫内業務の効率化、環境負荷低減を目的としたDX施策や、安全品質の向上を目的としたフォークリフト操作のAI判定システムの導入などが評価され、認証に至った。サントリーグループは、今後も持続可能な物流の実現に向け、物流最適化・環境負荷低減・働き方改革の推進などの取組を、パートナー企業・地域行政との連携を深めながら進めていく。

井村屋(株)

グループ成長戦略の一環で三重県津市に新工場建設を計画、ロジスティクス機能も強化

井村屋(株)は、井村屋グループ全体で進めている成長戦略の一環として、三重県津市の中勢北部サイエンスシティ内に新工場「あのつFACTORY」を建設すると発表した。

井村屋グループでは、2021年度に米国事業会社であるIMURAYA USA, INC.に日本製品輸出の総代理店化を企画し、現地への輸出・販売が順調に進んでいる。グループの生産を担う井村屋は幅広いカテゴリーの生産機能を有し、今後の国内外での成長戦略の中で輸出やEC販売への供給能力の向上、ロジスティクス機能の強化など、様々な課題に対応していく必要性があるとしている。本工場は成長分野への商品供給基地としての位置付け。AI・DXを取り入れたコストダウンによる市場競争力の高い新工場を設けることで、顧客への価値提供をさらに進める。

コンセプトは、①成長カテゴリーの新・供給基地の確立、②コストダウンへの取り組み、③ベストコミュニケーションファクトリーの創造(SCM機能の強化)。顧客の健康に寄与するSOY事業では、ロングライフ豆腐を中心に業務用ルート・輸出拡大を進め、さらに豆乳を活用したデザートや生産副産物である「おから」の惣菜化など新しい展開を進める。また、米国向け輸出が好調な焼菓子(カステラ)や購買手法として伸長しているEC市場に向けた商品の専用供給体制を確立し、さらなる成長を担う取り組みとするほか、煩雑な菓子・食品包装部門を集約しコストダウンにつなげる。

(株)MonotaRO

新物流拠点「猪名川DC」が本格稼働、DXやAGVを使った効率的な物流を実現

(株) MonotaROは、2021年11月に竣工した新大型物流拠点「猪名川ディストリビューションセンター(猪名川DC)」(兵庫県河辺郡)を2022年4月20日に本格稼働した。自動搬送ロボットや自動荷揃え装置の活用のほか、システムによる配送区分選定の自動化など、テクノロジーとオペレーションの力を増強しており、同社では猪名川DC本格稼働を通じ、顧客利便性向上に貢献するとしている。

猪名川ディストリビューションセンター内で稼働する無人搬送ロボット((株)MonotaRO) 猪名川ディストリビューションセンター内で稼働する無人搬送ロボット((株)MonotaRO)

同社は前年比約20%の成長を続けており、猪名川DCは、それに伴う物量の増加、物流における出荷能力および在庫保有能力増強のほか、物流効率化に対応するために設置し、稼働させたもの。2017年に稼働した「空間ディストリビューションセンター」と2021年に稼働した「茨城中央サテライトセンター」と合わせ、顧客へのより迅速な商品配送を実現する。猪名川DCでは、物流効率化向上と従業員の負担軽減を目的に、小型無人搬送ロボット(AGV)を約800台導入。2022年3月に稼働した新規システムとの連携など、オペレーションの自動化・省力化を推進している。2023年の第2期稼働時には、従来の1. 6倍となる出荷能力を付与する予定で、さらなる生産性向上を実現するとしている。

コカ・コーラ ボトラーズジャパン(株)

国内最大級の保管・出荷能力を持つ自動物流センター明石メガDC」が7月に稼働

コカ・コーラ ボトラーズジャパンは、明石工場(兵庫県明石市)敷地内に、コカ・コーラシステム国内最大級の保管・出荷能力を持つ自動物流センター「明石メガDC」が竣工し、2022年7月に稼働した。本施設は、コカ・コーラシステム国内最大級の製品保管容量(約6万パレット)と製品出荷能力(年間約8,000万ケース)を備え、大阪府および兵庫県の全エリアの物流を担う基幹拠点。ジュライ各セールスセンターで行ってきた仕分けやピッキング、在庫保管などの倉庫業務を、今後は本施設に段階的に集約する計画だ。

想図(コカ・コーラボトラーズジャパン(株)) 想図(コカ・コーラボトラーズジャパン(株))

以降、対象のセールスセンターは、在庫を保管しないクロスドッキング方式となり、得意先や各自動販売機などのエンド・ツー・エンドまで高効率に製品を届けるネットワークを構築するとしている。本施設でも設備の自動化・デジタル化を推進し、出庫の所要時間や人員による作業工程の短縮を目指す。中でも約1,500ケース(500mlPETボトル製品)の製品荷役を一括で可能とする、陸上では珍しい自動設備「RORO(roll-on/roll-off )ステーション」では、フォークリフトでの作業と比較した場合、トラックへの積み込み・積み下ろし作業時間を約7割削減することが可能だとしている。

同社は、急速に変化する市場環境や多様化する消費者や得意先のニーズに迅速に対応するため、全エリアの物流体制とコストの最適化を目指した「新生プロジェクト」を進めている。本施設はそのプロジェクトの一つで、2021年2月に竣工した「埼玉メガDC」に続く自動物流センターとなる。同社は、「バランスの取れた継続的な改善」と「高品質・低コスト・安定供給」のサプライチェーン構築を推進している。今後も市場環境や消費者の多様なニーズに迅速に対応するため、最適な物流体制の構築を目指す意向だ。

(株)アルペン

2024年初旬に国内最大規模の保管・出庫能力を備えた新倉庫「大口DC」稼働

スポーツ用品販売の(株)アルペンは、 迅速かつ効率的な供給ができる物流システムを構築するため、福玉(株)との協業により、愛知県大口町に4万3,000㎡の大型倉庫「大口ディストリビューションセンター(大口DC)」を2024年初旬に稼働させると発表した。大口DCには、村田機械(株)の国内最大規模の搬送機器「シャトル型自動倉庫」と、省スペースで高能力を実現した仕分け機「クロスベルトソーター」を導入する。

大口ディストリビューションセンター((株)アルペン) 大口ディストリビューションセンター((株)アルペン)

これら最新マテハンの導入により、アルペンでは物流業務削減の省人化効果について既存対比6割を見込む。アルペンは、アパレル、シューズ、小物(フィットネス用品やサポーターなど)、大物(キャンプ用品やゴルフキャディバッグなど)と、非常に幅広いカテゴリーの商品を取り扱っており、それら商品を効率良く仕分けて店舗に配送するには様々な課題があったという。このため大口DCでは、カテゴリー別に物流網を再整理し、効率的で無駄がなく、変化に柔軟に対応できる強固な物流網を構築するという新たな物流戦略を立案し、実行するとしている。

アルペンは、その第1弾として、2021 年に大物、小物カテゴリーの専用倉庫「小牧ディストリビューションセンター(小牧DC)」を開設。小物倉庫では日本初導入となる3Dロボット倉庫システム 「ALPHABOT」(村田機械製)を2021年11月から稼働させており、効率的で柔軟性に富んだ強固な物流網構築を進めている。今回のアパレル、シューズカテゴリーの専用倉庫となる大口DCの新設はその第2弾となるもので、大規模なマテハン設備を導入し、2024 年初旬の稼働を目指す。

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