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Blue Classics “T2600”

受け継がれるOCEANUSの意思

ブランド誕生から20周年を迎えたOCEANUS。今年最初のモデルとして、フラッグシップ・Mantaから最新モデル『OCW-S7000D』が発売され、その白と青の爽やかなコントラストは記憶に新しいことだろう(BLUE MOTIONS 1月号「White and Blue Contrast 〜20年目最初のオシアナス“OCW-S7000D”」)。そして続く2作目となるモデルが、OCEANUSを代表するシリーズとしてMantaと双璧をなす、Classic Lineから今月発売された。

電波ソーラー『OCW-T2600-2A3JF』 ¥110,000(税込)

ダイアル全面をオシアナスブルーに仕上げた『OCW-T2600-2A3JF』。まさに“KING OF BLUE”を彷彿させる20周年に相応しいモデルだが、この「OCW-T2600」シリーズは、世界6局の標準電波受信機能《マルチバンド6》によって自動時刻修正をおこなう電波ソーラーモデルだ。先進テクノロジーの象徴として、現行モデルの大多数がBluetooth®を利用したスマートフォンリンクによる時刻修正機能を搭載する中で(※)、Classic Lineも2018年に発売された「OCW-T3000」シリーズ以降はBluetooth®搭載電波ソーラーであるが、なぜ最新モデルではなく電波ソーラーモデルを採用したのか。今回『OCW-T2600-2A3JF』の全貌に迫るとともに、その謎について解き明かしてみたいと思う。

※数ある時計ブランドの中で、Bluetooth®機能を打ち出したメタルアナログ時計を中心に展開するブランドは希少である

日常を彩る青の表情

ベースモデルの『OCW-T2600-1AJF』が誕生したのは2015年。当時スマートアクセス搭載モデルとして最薄であった「OCW-T2500」シリーズの後継機として、世界最小モーターの開発によって実現されたモーター駆動《6モータードライブ》をClassic Lineで初めて搭載。これによりホームタイム・ワールドタイム・ストップウオッチの3モードを時分針とインダイヤルで同時に確認することが可能となり、文字板デザインを一新。ワイドフェイスに文字板を2枚重ねて立体感を演出することにより、視認性を追求し、文字板上に配置された3つのインダイアル位置は、現在のOCEANUS・クロノグラフデザインの礎となっている。さらにチタンを纏ったシンプルなフォルムと、日常における実用的な機能を搭載することで、機能美を体現。9年経った今も愛され続けている、まさに“オシアナス・クラシックス”と言えるロングセラーモデルだ。

そんなClassic Lineを代表するスタンダードモデルとして、これまで数々のカラーバリエーションを輩出している「OCW-T2600」シリーズ。今回17モデル目となる『OCW-T2600-2A3JF』はダイアル全面に蒸着を施し、ネイビーブルーのような深みのあるブルーメタリックを前面に押し出している。知性や上品さ、信頼性などを醸し出す、落ち着いた大人の色気とも形容できる雰囲気は、ビジネスシーンはもちろん、プライベートの場を含めた幅広いシーンにマッチすることであろう。この色合いを生み出すのに大きく貢献しているのが、遮光分散型ソーラーパネルの存在である。光を動力に換えることで駆動するOCEANUSは、光を発電させるためのソーラーパネルを文字板の下に設置しているが、遮光分散型ソーラーパネルを採用することで、針の影などによるロスを複数のセルで分散させ、受光効率を向上。文字板の透過率が低くても十分な電力量を確保でき、高発色を実現しているのだ。
そしてこのブルーダイアルを引き立てるシンプルなフォルムのベゼルにはタキメーターを配し、正確な時を刻むことに実直なOCEANUSの印象をよりスポーティへと昇華させているのも目を見張るところであろう。

電波ソーラーモデルの矜持

2004年、OCEANUS初号機『OCW-500』の誕生。それは世界で初めてフルメタルクロノグラフ電波ソーラーという、新たな時計ジャンルを切り拓いた瞬間でもある。しかしその道のりは、けして平坦なものではなかった。そもそも金属は電波を遮断してしまう。メタルでありながら十分な受信感度を確保するため、長い歳月を費やして試行錯誤を繰り返すことで、ようやく誕生したOCEANUS。当時そのデビューがセンセーショナルであったことは、容易に想像ができる。以来、さらなる時刻精度を追い求めて独自性と時計品質の進化を果たすことで、GPS衛星電波受信やBluetooth®を併せ持つモデルを次々と生み出してきたが、そもそも電波ソーラーが誕生していなければ、これらのモデルが存在しなかったことを忘れてはならない。

20年という歴史の中で、過去から未来へと技術のバトンを渡しながらも、その美学を損なうことなく現代に受け継がれる革新の証。時を超えて磨かれた『OCW-T2600-2A3JF』が、今回採用された理由。それは世界初のフルメタルクロノグラフ電波ソーラーを生み出した、「0→1(世の中にないものを想像する)」という開発思想を忘れない、OCEANUSの意思表明なのかもしれない。

Text: Tatsuya Nakamura | Photography: Daisuke Taniguchi

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