
Blue in Green
オシアナス20周年記念モデル第二弾
“青”を追い求めること20年。
現代のアナログ時計として確固たる地位を確立したOCEANUSが、先進テクノロジーと独創的なデザインによって紡いできた“青の物語”は、今年ひとつの節目を迎え、6月にはこれまで培ってきた技術の粋を集めた20周年記念モデルが発売されたことも記憶に新しい。
そして今回、記念すべき20周年の第二弾として、4つの限定モデルが11月8日に発売された。そこでBLUE MOTIONSでは今月と来月の2ヶ月に渡り、その20周年記念モデルを特集。まず今月は4モデルのうち、フラッグシップであるMantaの最新モデルOCW-S7000をベースにした『OCW-S7000SG』をフィーチャーしたいと思う。
20年の航跡を刻む江戸切子

『OCW-S7000SG-1AJR』 ¥275,000(税込)世界限定1,600本
第一弾の20周年記念モデルは“20年の青の探求の歩み”を航海にたとえ、OCEANUSのルーツとも言える海の壮大さをオシアナスブルーで表現していたが、今回の第二弾では“20周年後も進み続ける意志”を彩り豊かな海を進む情景になぞらえ、モデルごとに新色蒸着を開発採用している。
中でもこの『OCW-S7000SG』は、OCEANUSの未来への挑戦を象徴し、これまで数々の名作に配されてきたオシアナスブルーにグリーンの彩りを加えることで、新たな世界観を創出。そこに一役買っているのが、ベゼル上のサファイアガラスに刻まれた江戸切子である。今回で5度目のコラボレーションとなる江戸切子職人・堀口徹氏の監修のもと、“航跡”をテーマに海原を力強く駆ける船が作る波を表現。丁寧に磨かれたサファイアガラスリングに、表面26本・裏面14本の切り目を入れることで奥行きや深層感を生み、3時側から9時方向へと進む船の航跡をイメージしたカッティングラインが、時計に動的なエネルギーを宿している。また、より大きなサファイアガラスリングを配置できるよう、定番のOCW-S7000からベゼルを改造し、時計の全体バランスも緻密に調整するなど、江戸切子を大きく見せるためのさりげないこだわりも施されていることを付け加えておきたい。
グリーンカラーで挑む、新しい“青”の表現

今回の20周年にあたり、『OCW-S7000SG』では従来の“青”というテーマに新たな解釈を加え、革新的なグリーンのカラーリングに挑戦している。職人の手で一つひとつ丹念にカットされたサファイアガラスを、偏光して青が現れる新開発の鮮やかなグリーン蒸着で着色。見る角度や光の具合によって絶妙に青みを帯びることで、変化に富んだ豊かな表情を楽しむことができる色合いは、まるで本物の海の移ろいを反映しているかのようである。この一般的な時計ではあまり見ることのないグリーンの表現は、従来の“青”という固定観念に囚われず、より広範な自然の色彩にインスピレーションを得たものであり、OCEANUSの未来に向けた革新の精神を映し出しているとも言える。
職人技が生み出すシャープで煌めく輝きと、新解釈によるオシアナスブルー。どの角度から見てもその魅力が尽きることのない美しさは、伝統と革新の融合を象徴する特別なデザインであり、まさに一点ものの価値を宿した唯一無二のアートピースとして、OCEANUSの存在意義を語るに相応しいコラボレーションモデルと言えるだろう。
細部に宿る20周年記念モデルのこだわり

こだわりの江戸切子サファイアガラスを引き立たせるため、あえて加飾は抑えた全面透過の黒印刷による文字板内にも、差し色としてグリーンを配置。9時位置のインダイアルにはグリーン塗装を、秒針にはアルミのような質感を持つアルマイトを施すことで、クロノグラフであることを象徴するだけでなく、全体として統一感のあるフェイスデザインを実現している。またケースやバンドには、耐摩耗性と発色を向上させるチタンカーバイト処理や平滑度の高い美しい面を実現する鏡面部分のザラツ研磨による上質な仕上げが施され、OCEANUSが誇る技術と美意識が細部にまで宿った深みのある風格を演出。
さらに裏蓋には限定モデルの証として「20th Anniversary」の文字が刻印されており、専用のボックスに収められることで贈り物やコレクションアイテムとしての価値も高めている。
20年に渡る“青”の探求を経て、その意志を次代に伝えていくためにこれからも進化を続けていくOCEANUS。彩り豊かな海を象徴する新たなカラーリングと伝統技術の融合による今回の『OCW-S7000SG』が挑戦と革新を体現し、未来へと向かう航海の道標となることであろう。
次回は20周年記念モデルの残り3モデルを特集します。お楽しみに。

Text: Tatsuya Nakamura | Photography: Daisuke Taniguchi
三代秀石 堀口徹
1976年、東京都生まれ。祖父が江戸切子職人であるという環境のもと、二代目秀石(須田富雄、江東区無形文化財)に江戸切子を師事。2008年、三代秀石として株式会社堀口切子を創業。日本の伝統工芸士(江戸切子)認定。伝統的な手法や様式を継承しながらも、斬新で現代的なものづくりを信条とする。
※ 表示価格は、すべてメーカー希望小売価格です。
※ 掲載商品の色調は、一部実物と異なる場合があります。