新生オシアナス始動

すべての時をどこまでも精緻に、そしてエレガントであり続ける。ただ美しいだけではない、ただ技術を詰め込むだけでもない。“Elegance, Technology”と掲げた２つの要素が密接に絡み合うことで、OCEANUSは存在する。
ブランド誕生から20年を経て、進化とともに質を高めながら成熟したOCEANUSが、次なる一歩を踏み出すために挑んだのは、その存在自体を革新させること。すなわちOCEANUSの再構築であった。その背景にあるのは、昨今のライフスタイルや価値観の多様化。これまでのOCEANUSは美しい輝きを前面に打ち出し、煌びやかな印象を与えるデザインが多くを占めていたが、より多くの方のライフスタイルに寄り添えるよう、従来とは異なるテイストの趣味・趣向で選べるモデルを生み出す必要があると考えたのだ。そこで着目したのが、トレンドのひとつである“クラシックの再考”。過去の模倣ではなく、ブランドがこれまで培ってきた伝統や美学に現代的な解釈を加えることで、新しい価値を生み出すこと。まさにOCEANUSの再考ともいうべきテーマをもとに、時代をリードする先進機能を積み重ねて時計の価値を塗り替えてきたOCEANUSの哲学はそのままに、タイムレスな魅力を掛け合わせることで、未来を見据えた“時代に左右されない普遍性”を見出した新たなコレクションが誕生した。

RETRO TONE COLLECTION

命名されたのは「RETRO TONE COLLECTION」。その名の通り、レトロな意匠を纏う新コレクションである。しかしそのレトロというキーワードに託したのはノスタルジーではなく、未来に耐えうる造形美。時代を超えて愛されるものには、必ず芯の通ったデザイン哲学がある。そんな永続的に受け継がれていく存在になるために名付けられた、“不変という普遍”への挑戦なのだ。 今回ラインアップされたのは、OCEANUSの主軸を担う3シリーズの5カラー。まずはMantaから多針クロノグラフ『OCW-S7000RA』のブルーとブラウンの2モデルと、3針タイプ『OCW-S400RA』のブルーとグリーンの2モデル。そしてClassic Lineのロングセラーモデルとして根強い人気を誇るグレーの『OCW-T2600RA』という、新たなコレクションの誕生にふさわしい多彩なバリエーションで、身に着ける人の日常にさりげない品格と彩りと添える。

左：Manta『OCW-S7000RA-2AJF』/ 右：Manta『OCW-S7000RA-5AJF（世界限定1,200本）』各¥214,500（税込）

まず注目すべきは、今回のコレクションを象徴するグラデーションダイアルである。新開発した金型でギラツキの強い目付のベース生地にし、その上から蒸着、塗装、グラデーションパターンの3層の着色を施してギラツキを抑えていくことで、ハーフマット調の梨地仕上げによる、中心から外周に向けて色と光が自然に溶け合うように広がった、深みのある美しい表情を創出。電波ソーラー時計であるOCEANUSはソーラーチャージに必要な受光量を確保しなければならないため、“どの位置にどれだけの濃さで色をのせるか”ということを計算しながら透過率を緻密にコントロールし、理想のデザインと機能を両立させるまでに何度も試作と検証を繰り返したという。こうした開発努力のもとに、発色のよい文字板表現が実現されていることも付け加えておきたい。

ベゼルリングにサファイアガラスを採用したMantaの4モデルは、天面をレーザー加工によってハーフマット調に仕上げ、裏面に文字板と同系色のカラーリングを施すことで、文字板と一体感のある“控えめで落ち着いた輝き”を実現。その霜が降りたような独特の光沢感は柔らかく取り込んだ光によって、ベゼルの色彩を表情豊かに演出している。また『OCW-S7000RA』にはタキメーター、『OCW-S400RA』にはワールドタイムの都市コードが刻まれており、モデルごとの機能性もデザインされているのだ。

左：Manta『OCW-S400RA-2AJF』/ 右：Manta『OCW-S400RA-3AJF』 各¥181,500（税込）

“時を刻む”という機能の本質は、針やインデックスなどの微細な造形にこそ宿ると言われるが、「RETRO TONE COLLECTION」にも随所にこだわりのディテールが盛り込まれている。時分針は、根本から先端まで太さがあまり変わらないストレート型を採用。そのシンプルで端正なフォルムは、時刻をより読み取りやすくするだけでなく、ソリッド感のあるバーインデックスと相まって、凛とした佇まいを演出する。対して秒針は、光を反射しやすい半円形の甲丸立体針を採用し、時の流れと調和する柔らかなフォルムが、時計に静謐なリズムをもたらしてくれる。またりゅうずには、外周に細かな刻みのローレット加工を施すことで、レトロな装いにアクセントを与えるとともに操作性も向上。そしてMantaの象徴ともいうべき伝統的な矢羽根型バンドにも、今回のコンセプトに合わせたアップデートが施されている。エレガンスさを陰で支えていたバンドのセンターラインを、従来のミラー仕上げからヘアライン仕上げに変更することで輝きを抑え、クラシカルな雰囲気が漂う外観に仕上げられているのだ。こうした細部へのこだわりの積み重ねこそが、OCEANUSが考える“普遍美”の体現なのである。

Classic Line『OCW-T2600RA-8AJF（世界限定1,000本）』 ¥121,000（税込）

「RETRO TONE COLLECTION」が語るのは、外観だけではない。標準電波受信機能やBluetooth®を利用したスマートフォンリンクによる時刻修正機能、ワールドタイムといった機能面をはじめ、日常使いにも配慮された10気圧防水や傷に強い風防の両面反射防止コーティングサファイアガラス、チタンカーバイト処理による耐摩耗性の向上など。視覚的な美しさだけでなく、正確な時を刻むことへの信頼性や安心して長く使える品質こそが、OCEANUSが語り続ける“真価”である。

挑戦と進化を繰り返すことで築き上げたOCEANUSのレガシーを、次代へと繋げていくためにブレイクスルーを起こすことで、“時を超える”という新たな境地を切り拓いた「RETRO TONE COLLECTION」。
そのレトロな佇まいに、恐れるものは何もない。
何故ならOCEANUSは、時計づくりの常識に囚われない冒険心と遊び心から生まれたのだから。そんなOCEANUSらしい革新が、静かに息づいているのだ。