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New Generation Blue 若き開発者たちが考える、これからのOCEANUS | CASIO

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若き開発者たちが考える、これからのOCEANUS

2月に発売されたブルーグリーン文字板の『OCW-T4000C-3AJF』と爽やかなグリーン文字板の『OCW-T200S-3AJF』。この新色グリーンによる2つのNEWモデルを商品化へと導いたのは、20代の若き開発者たちであることは前回のBLUE MOTIONSでも紹介したが、彼らは何を想い、このモデルを手掛けたのか。その人物像を探るべく、在籍する「CASIO 羽村技術センター」へと足を運んだ。

今回話を伺ったのは、2つのモデルの商品企画立案と推進業務を担当した井ノ本氏と、ブルーグリーン文字板のカラーを担当した関谷氏。この4月で入社4年目になる井ノ本氏は、学生時代に理工学部で電子系を専門とし、回路などを勉強していたという。
「CASIOには時計や電卓など色々とありますが、時計をやりたいと思って入社しました。ただ商品企画は、色んな部署で経歴を積んだ知識のある人が配属される部署だと聞いていたので、正直1年目から入れるとは思っていませんでした。最初から商品企画にいきたいという強い想いがあったわけではないのですが、いずれはやってみたいという気持ちはありました」。

井ノ本脩氏(技術本部 開発推進統轄部)

そして入社3年目、もともとデザイン職を希望していた関谷氏。学生時代の“あるきっかけ”が、彼をCASIOへと導く。
「入社前にデザイン実習として1週間くらい体験をさせてもらえる機会がありまして。そこで時計のデザインという世界に触れて、これはやりたいなと思いました。元から時計が好きだったということもありますが、時計のこだわり抜かれている部分や、この距離では分からない細かなこだわりを突き詰めていく先輩方の職人のような姿がすごくカッコいいなと憧れて。そういうところですね、ここで働きたいと思ったのは」。

関谷直任氏(技術本部 デザイン開発統轄部 プレミアムリストデザイン室)

そもそもOCEANUSの存在を知っていたのだろうか。当時の印象について聞いてみた。
井ノ本:「内定をいただき、CASIOに入ろうと決めたタイミングで知りました。CASIOの時計というと無骨で力強くて男らしいG-SHOCKのイメージが強く、それに対してOCEANUSは薄くて綺麗、容姿端麗。最初の印象としてはギャップを感じました。ただ自分はOCEANUSのようなテイストが好みなので、すごく魅力に惹かれましたね。実際に携わってみて、青のイメージが強いということは分かりましたが、入ってからじゃないと分からないことがありました。色としては青でしかないのですが、その表現の仕方や青に対するこだわりなど。そしてコンセプトであるElegance, Technologyについても。テクノロジーというとモジュールや機能面的なことはもちろんあるけれど、それこそ青を表現するためにサファイアを選び、それをカットする仕方などの見た目にこだわるところにも本当に技術力を感じました。思っていた以上、遥か上でした」。

関谷:「OCEANUSの存在自体は知っていましたが、青いパーツが散りばめられているくらいの認識でした。MantaやClassic Lineなどのカテゴリ分けや、それぞれに個性があることは入社してから初めて知りました。そういうラインアップの差って、最初は“良いもの”と“悪いもの”という分け方なのかなと思ったのですが、そんなことは全然なく、それぞれのカテゴリのできることや良さみたいなものがやっていくうちにだんだん分かってきました。本当にOCEANUSの多様性を感じましたね」。

OCEANUSにもっと遊び心を

月に1度のプレゼンを繰り返していた井ノ本氏。若い視点での商品企画を求められる中で、関谷氏とともに「色開発プロジェクト」なるものを立ち上げることとなる。
井ノ本:「ブランドカラーの青やElegance, Technologyなど、ある程度OCEANUSにはルールというか、みんなの認識みたいなものがあると思うのですが、せっかく若手の二人に任されたのだから、その箱からちょっと一歩飛び出たいという想いがありました。枠からはみ出るというか。上司たちが求めている若さって、何だろうと」。
関谷:「2人で密に連絡を取りつつ、一緒に出張に行ったり、渋谷とかを歩いてヒントを得ながら、こんなのはどうだろうかと話をして。ブランドイメージからわざと逸脱することで、見てくださった人が“何これ?”と好奇心を持ってくれるというのが、一番のポイントでした」。

構想段階のデザイン画

井ノ本:「所謂ビジネス時計みたいな量産型っぽいものにはしたくなかったです。やはり若手が作ったからこそ、若いユーザーの方に手に取って欲しい。例えば店頭に並んだとき、これまでの範疇内の青にすると馴染んでしまうというか、今までの中のひとつになってしまうので、店頭のイメージも思い浮かべながら、どうやったら自分たちの商品が目に留まるのだろうと意識しながらプロジェクトを進めていきました」。
関谷:「まずはやってみてという状態だったので、OCEANUSならこうしなくては…みたいなものを一切考えずに進めました。その上で、ある程度OCEANUSが出す新しいものとはと考えたのですが、最初の時点では“青なんてどうでもいい。OCEANUSらしさなんてどうでもいい”というところからスタートしたのが、逆に良かったのだと思います」。

従来の世界観ではないところで、自分たちが“こんなのいいな”というものをとにかく形にして、試行錯誤を繰り返すこと約1年。漸くここに2つのモデルが完成する。
井ノ本:「そんな気持ちで商品開発をしていたので、商品化するかどうか、上司も冒険だったと思います。任せてもらえて感謝しています。研究した商品についてアドバイスをもらう中で、“サンプルをこうしておけば良かったのかな”などと思うことも沢山あって、本当にいい経験をさせてもらえました」。

ブルーグリーン文字板『OCW-T4000C-3AJF』のカラーサンプル

関谷:「今となってはチャンスだったと思いますけど、当時はそんなことを考える余裕もなくて。1年目の研修が終わってすぐの状態で、とりあえずやってみてと言われて始まったのですが、全部が初めての体験でした。グリーンといってもただのグリーンにはせず、こだわりの詰まったグリーンにして、自分たちの持っている遊び心をふんだんに盛り込んでやろうと思いましたね」。
井ノ本:「(関谷は)デザインなので、色へのこだわりはかなり強く持っていました。グリーンだけでこれだけの試作をしてくれるなど、本当にこだわってくれました。グリーンの色味には納得しています」。

次世代を創る彼らの想い

20代である2人。同世代の男性たちにはどんな時計を着けて欲しいと思うのか。
井ノ本:「今はもう私服でも働けるようなワーキングスタイルになってきて、自分を表現すると言ったら大袈裟かもしれませんが、個性を演出する、自分を表すような時計を着けて欲しいです。OCEANUSでいうと、角型のOCW-T5000ですね。圧倒的に丸型が多い時計の中で、形だけでも個性が溢れているじゃないですか。このモデルならではのこだわりが詰め込まれていますので、同世代の方にお勧めしたいです」。

『OCW-T5000-1AJF』 ¥165,000(税込)

『OCW-S6000-1AJF』 ¥275,000(税込)

関谷:「その時計のどこが好きなのかを語れる、それをすごく愛でられるようなモデルを着けてもらいたいです。OCEANUSでいうと、OCW-S6000ですね。同世代からすると手の届きづらい価格帯だとは思うのですが、やはり手に取るのであれば一番いいものをというか。仮に自分に見合っていないとしても、良い時計に見合う自分になりたいと思うモチベーションって、すごく大切なことだと思います。時計にはそういう側面もあると思うので、ちょっと背伸びして良いものを手に取ってもらいたいです」。

これからOCEANUSをどのようにしていきたいと考えているのか。今後の抱負を聞いてみた。
井ノ本:「今は日本をメインに販売していますが、他の時計に引けを取らない個性がOCEANUSにはありますし、もっと積極的に世界へ展開したいと個人的には思っています。世界進出のきっかけになるような商品を開発したいですね。そのためにも引き続きチャレンジしていきます」。
関谷:「様々なシリーズがある中で、それぞれの良さをもっとマキシマイズしていきたいです。特に今回のような3針モデルはどうしてもお手頃な印象が付いてしまうのですが、3針が好きというファンもいますし、3針ならではの文字板の広さや上品さがあると思うので、例えば3針の高級ラインを作るとか。今のラインナップにない、それぞれのカテゴリで個性が際立つようなラインナップにしていきたいなと思います」。

最後にユーザーや読者の方々へのメッセージをいただいた。
井ノ本:「今回の2モデルはかなり時間も手間も掛けて作ったので、本当に同世代の方が着けているのを早く見たいという想いがあります。良い意味で異端児というか、目立つモデルになっていると思いますので、ぜひ店頭でご覧いただき、そして買っていただけたら嬉しいです。昨今グリーンが流行っていますが、この色味はすごくこだわって作っていますので、着けていただいたら絶対に第三者から目を惹くモデルになると思います。着けているシーンを楽しんで欲しいです」。

Classic Line『OCW-T4000C-3AJF』 ¥115,500(税込)

関谷:「これまでも携わらせてもらったモデルはありますが、自分がやったと言える初めてのモデルです。この2モデルは言わばカラバリ追加になるのですが、新型と同じくらいのこだわりが詰まっていると自負しています。今後も既存モデルのカラバリはやっていくと思いますが、定番を追い抜くくらいのこだわりをどんどん詰め込んでいくつもりです。今度はどんなものを出すのだろうとワクワクして、これからの新製品を楽しみに待っていていただけたらと思います。そして色んなモデルを知って、OCEANUSにハマってもらえると嬉しいです」。

3 Hands Models『OCW-T200S-3AJF』 ¥66,000(税込)

「固定概念を壊すことって若いからできると思うので、若いうちは挑戦することが大事だと思います」と話す、2人の若き開発者。等身大の自分たちの感覚を信じ、情熱を胸に突き進む彼らこそ、革新し続けるOCEANUSの新たな個性なのかもしれない。

3 Hands Models『OCW-T200S-3AJF』 ¥66,000(税込)

Text: Tatsuya Nakamura | Photography: Masashi Nagao

※ 表示価格は、すべてメーカー希望小売価格です。
※ 掲載商品の色調は、一部実物と異なる場合があります。

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