The Essence of Blue
OCEANUSとは何か
海のように深く、静かに揺らめく青。光を受けて浮かび上がる、磨き上げられた金属の輝き。腕元に収まる小さな時計の中に、先進のテクノロジーと、細部まで研ぎ澄まされた美しさを宿すOCEANUS。その名の由来は、ギリシャ神話に登場する海の神「オケアノス」。2004年の誕生以来、OCEANUSは“海”をひとつの原点として、独自の時計づくりを続けてきた。正確な時を刻むこと。先進の技術を追求すること。そしてその技術によって、美しい時計をつくること。ブランドが掲げる“Elegance, Technology”という言葉には、そんなOCEANUSのものづくりに対する姿勢が込められている。 ではOCEANUSとは、いったいどんな時計なのだろうか。その答えを探すために、これまでの歩みを振り返りながら、3つのシリーズが描き出す、それぞれのOCEANUSを紐解いていきたい。
技術を、美しさへ
カシオがこれまで培ってきた技術を、アナログ時計というフィールドで表現する。その挑戦から生まれたのが、OCEANUSだった。スポーティでありながら、エレガント。先進的でありながら、時代に左右されない。機能を備えるほど、デザインは複雑になっていく。しかしOCEANUSが目指したのは、その逆だった。高度な技術を、小さく、美しく、ひとつの時計の中へと収めていく。そのために、軽量で強度に優れたチタンを採用し、電波ソーラーという先進技術を搭載。フルメタルでありながら電波を受信するという難題にも挑み、約2年にわたる開発を経て、世界初のフルメタルクロノグラフ電波ソーラーとして初号機『OCW-500』が誕生した。それは、OCEANUSの長い旅の始まりだった。振り返れば、そこから続く20年以上の歴史は、技術進化の歴史であると同時に、美しさを追い求めてきた歴史でもある。より薄く、より美しく、より自由に。技術が進化するたびに、OCEANUSのデザインもまた、新たな表情を見せてきた。
海から生まれた、オシアナスブルー
そして、OCEANUSを語るとき、決して欠かすことのできないものがある。“青”だ。OCEANUSにとって青は、単なるブランドカラーではない。その名に宿る“海”というイメージを、時計という小さな世界の中に表現するための大切な要素なのだ。2006年に登場した『OCW-M700』で、初めてブルーを大胆に採用。以来、OCEANUSはさまざまな素材や加工技術を用いながら、青の表現を追求してきた。蒸着によって生まれる色。スパッタリングによって描かれる色。サファイアガラスの透明感を通して見る色。同じ青でありながら、その表情はひとつとして同じではない。光が差し込み、反射し、透過する。その一瞬ごとに、青は姿を変える。まるで刻々と表情を変える海のように。オシアナスブルー。それは技術によって描き出される、OCEANUS独自の“青の世界”なのである。
技術の先にあるもの
正確な時刻を刻む。太陽の光をエネルギーへと変える。標準電波に対応するエリアでは、正しい時刻を受信する。さらに、世界のさまざまな地域でスマートフォンとつながり、より快適に時を管理する。OCEANUSには、時計としての進化を支える数多くの技術が搭載されている。けれど、その技術そのものを見せることが目的なのではない。技術によって、より美しいフォルムをつくる。より薄いケースを実現する。素材の輝きを引き出す。これまでにない青を描き出す。つまりテクノロジーの先にあるものは、いつもエレガンスなのだ。技術は、美しさのためにある。それがOCEANUSの歩んできた20年以上の歴史を貫く、ひとつの答えなのかもしれない。そして現在、その思想は、それぞれに異なる個性を持つ3つのシリーズへと受け継がれている。
Manta 〜極限まで、高める
OCEANUSのフラッグシップとして、“スポーティエレガンス”という理想を、より高い次元へと突き詰めた存在が「Manta」だ。薄さ、造形、素材、仕上げ。そして、光。時計を構成する一つひとつの要素に向き合い、そのすべてを高いレベルで融合させていく。だからこそMantaには、手にした瞬間に伝わる特別な存在感がある。それは、声高に主張するものではない。薄く、美しく、静かに腕元に佇む。けれど、光を受けた瞬間、その存在がふっと浮かび上がる。OCEANUSの“美”を、最も先鋭的に追求する。それがMantaというシリーズだ。
左:最新モデルのスポーティエレガントクロノグラフ『OCW-S7000-1AJF』/ 右:シリーズ最薄のチタンケース『OCW-S6000-1AJF』
Classic Line 〜日常へ、美しさをひらく
極限まで研ぎ澄ますMantaに対して、OCEANUSのエレガンスをより身近に楽しめるのが「Classic Line」だ。普遍的なデザインと先進の機能を融合し、“機能美”を追求。奇をてらわない。けれど、決して平凡ではない。端正なケースフォルム、上質なメタルの質感、光と影を生み出す仕上げ。そこにOCEANUSならではのブルーを重ねる。目指しているのは、一時的な流行ではなく、長く身につけられる美しさ。ビジネスの場にも、休日のスタイルにも。日々のさまざまな時間に自然と寄り添う。それがClassic Lineシリーズの描く、OCEANUSである。
左:ロングセラーモデルとして根強い人気を誇る『OCW-T2600-2A3JF』/ 右:シリーズ初の多角形ベゼルを纏った最新モデル『OCW-T6000-1AJF』
3 Hands 〜削ぎ落として、本質へ
OCEANUSの魅力は、複雑な機能や精緻な造形だけではない。時、分、秒。時計として必要な情報をシンプルに伝える「3 Hands」だからこそ見えてくる美しさがある。余白、針、インデックス、ケースの輪郭。そして、素材そのものの質感。余計なものを削ぎ落とすことで、一つひとつのディテールが際立ってくる。それは他のシリーズとはまた違う、静かな美しさだ。足すことで豊かにするのではなく、引くことで本質を見出す。3 Handsシリーズには、そんなOCEANUSのもうひとつの美意識が表れている。
左:初代から継承される電波ソーラーモデル『OCW-S100-1AJF』/ 右:シリーズ初のBluetooth®搭載電波ソーラーモデル『OCW-T200S-1AJF』
進化を続ける。その中心に、変わらない美しさ
現代、時計を取り巻く技術は大きく進化した。けれど、変わらないものがある。より正確に、より便利に、より高機能に。そうした進化の先に、いつもOCEANUSが求めてきたもの。それは、美しさだった。薄さを追求することも、素材を磨き上げることも、光の反射を操ることも、サファイアガラスに新しい表情を与えることも。そして、海のような“青”を描くことも。すべては、技術を美しさへと昇華するために。 「Manta」は、OCEANUSの理想を極限まで突き詰める。「Classic Line」は、その美意識を日常へと広げる。「3 Hands」は、シンプルな造形の中に本質的なエレガンスを宿す。それぞれの個性は違っても、根底に流れているものはひとつだ。 技術があるから、美しくできる。美しさを追求するから、技術は進化する。そのふたつは、どちらか一方ではなく、互いに高め合うもの。そしてその思想を象徴するのが、海から生まれた“青”なのかもしれない。深く、静かで、ときに鮮やかに輝く。見る角度によって表情を変えながら、決して同じ姿には留まらない。それは、OCEANUSが歩んできた20年以上の軌跡にも似ている。変わり続ける。けれど、変わらないものがある。時を、美しく整える。そのために技術を磨き、美を追い求める。OCEANUSとは、そんな思想を腕元に宿す時計なのだ。そしてこれからも。新しい技術と表現によって、OCEANUSはまだ見ぬ“青”と美しさの可能性を追い続けていく。
Text: Tatsuya Nakamura | Photography: Daisuke Taniguchi
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