カメラ移動型測位
移動体にカメラを装着しエリアに設置されたLED送信機の情報を位置指標として移動体の位置を自己位置推定します。
位置指標であるLED送信機の設置にあたっては、等間隔での設置や高さを一定にするなどの条件はなく自由度の高い設置が可能です。カメラから2つのLED送信機が見えれば、自己位置を推定できます。
また、高い測位精度が必要な箇所に対してはLED送信機を多く設置することで該当エリアの測位精度を上げる事も可能です。

カメラ移動型測位(自己位置推定)
測位技術の特徴
カメラを用いた自己位置推定の手法として、代表的なものにVisual SLAM等の技術があります。これには多数の特徴点の写り方の差分をもとにするため、誤差蓄積により一周して元に戻らない問題(ループ閉じこめ問題といわれます)等が発生いたします。
さらに、環境によっては特徴点自体の検出が安定しないなどの問題があります。

可視光通信を用いるPicalicoではIDが確定した特徴点を用いることにより、処理負荷が低く状態に依存しない測位が可能となります。そのため、移動による誤差が蓄積されない安定した自己位置推定が行えます。

システム構成
測位エリア内の天井や壁などに位置指標となるLED送信機を設置します。
フォークリフト、AGVなどにPicalico対応のGigEカメラを装着し、PicalicoソフトウェアをインストールしたノートPC等で測位処理を行います。
測位時刻と座標と方向を無線で時々刻々と応用システムに送信します。

主な仕様
項目 | 内容 | 備考 |
測位出力 | X、Y座標、方向、測位時刻を表すJSON形式データ |
平面移動でカメラが移動体に固定されていること 座標系は予め原点とXY軸の設定が必要となります。 |
測位周期 | 0.05秒~1秒(設定可能) |
初期捕捉に、0.65秒以上を必要とします。 |
測位に必要な 撮影LED送信機数 |
2個 |
|
1個 |
LED送信機2個以上の確定測位後の連続状態のとき。 | |
LED送信機 | カシオ製LED送信機 |
電源は100V電源から通常のアダプタを通してUSB給電(短時間スポット利用では、単一電池動作可能) |
LED送信 機通信距離 |
約35m |
HD解像度、画角100度レンズ使用の場合 ※利用環境(照度、および背景状況)で異なることがあります。 |
精度 | ・最高1~5cmが可能ですが、LED送信機の配置に依存します。 ・常に2個以上が見える配置であれば一般に +/-50cm~+/-1m未満 の誤差となります。 ・多数のLED送信機を認識している場合、精度が良好となります。 例)約15x20mエリア、6~8m間隔設置(常時5個程度のLEDが見える状況)でおよそ誤差平均 +/-15cm, 最大+/-30cm以下 |